ご夫婦がこれからの時間をゆったりと紡ぐ「小さな終の住処」。
お隣に広がるのどかな畑や、以前のお住まいから大切に育て継いできた垣根、そして新たに設えたお庭。
それら周囲の環境と建築が境界を越えてゆるやかに溶け合い、豊かな緑に抱かれるような、心穏やかな佇まいとなりました。
建築の骨格となるのは、大らかな包容力を持つシンプルな切妻屋根です。
あえて間仕切り壁を設けず、造作家具によって空間の領域を緩やかに分けることで、視線が奥へと抜け、心地よい光と風が部屋全体を巡ります。
限られた空間の中に、数字以上の伸びやかさと奥行きを生み出す設計されています。
空間を包み込むのは、作り手の息遣いが宿る自然素材の数々です。
左官職人の手仕事による陰影の美しい漆喰壁。
そして、堅牢な楢(ナラ)、香り高い檜(ヒノキ)、端正な木目の栂(ツガ)。
それぞれの個性を響き合わせながら、凛とした力強さと、日々の暮らしに寄り添う温もりを空間に添えています。
設計:mononoma
造園:fanlandscape
写真:ToLoLo studio